ネット上で銀英伝の感想などを調べていると、ちょくちょく「老害」という言葉が出てきます。
どうやら銀河英雄伝説のノイエ版(die neue these)のファンが、ノイエ版に批判的な石黒版(旧作)のファンに対して使っている言葉のようです。
少し興味が湧いたので、今回は銀河英雄伝説における「老害」論争について少し解説したいと思います。
・「老害」って?
・もしかして、私(僕)も実は「老害」となっている?
・銀河英雄伝説における「老害」論争はなぜ起きている?
・ノイエ版、旧作をそれぞれ楽しむ方法は?
今回の記事ではこのような疑問にお答えできればなと思っています。
個人的には、ノイエ版も旧作もそれぞれ楽しんでもらい、銀英伝の世界をより楽しんでもらえたらいいなと考えています。
【私の情報】
私の情報をすこしだけお伝えしておきますね。
- 小学生の時に銀河英雄伝説(石黒版)を見て、大ファンになった41歳(2023年現在)。
- 「銀河英雄伝説 die neue these」を機にあらためて旧作を見直す。
- 銀河英雄伝説はアニメとしての楽しさに加え、キャラクターの名言や生き方、考え方など私の人生の指針となっている。
- 好きな提督はビッテンフェルト。
銀河英雄伝説がはじまって40年。あなたも若い時に銀英伝の世界にはまったひとりではないでしょうか?
リメイク版の放映を機に、また一緒に銀英伝の世界を旅しましょう!
では始めますね!
「銀河の歴史がまた1ページ。。。」
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銀河英雄伝説における「老害」の意味
「老害」という言葉は一般的にもよく使われる言葉だと思います。
イメージはなんとなく分かるが、正確な意味はいまいち分からないという人もいるのではないでしょうか。
まずは「老害」の意味を復習しておきましょう。
「老害」の一般的な意味
一般的な意味は下記のような内容のようです。
辞書的な意味では、企業や政治の指導者層の円滑な世代の交代が行われず、組織の若返りが阻まれる状態を指す。日常的には、他人の意見を聞かず時代遅れの価値観を押し付ける傲慢な高齢者に対する言葉として使われる。
また、インターネット上では(年齢に関係なく)古参のファンを指して使われることがある。
おおよそ描いていたイメージとマッチしているかなと思います。
銀河英雄伝説における「老害」
銀河英雄伝説というアニメの枠組みの中で「老害」という言葉が使われているのは、古参のファンを指して言っていることが多いと思います。
「銀河英雄伝説において、ノイエ版(die neue these)を受け入れられない石黒版(旧作)の古参ファンのうち、ノイエ版に批判的な言動をする人」
少し具体的に定義すれば、このような表現になるのではないかと思います。
私もおそらくは「老害」の部類に入るかもしれませんね(笑)。
銀河英雄伝説における「老害」論争
さて、このような「老害」論争が起きる原因はなんなのでしょう。
それはリメイク版である「die neue these」が放映されたからですが、具体的にはどのような論争が巻き起こっているかを少しくわしく見てみましょう。
石黒(旧作)世代が「老害」と呼ばれる原因
銀英伝では、主にノイエ世代がノイエ版に批判的な言動をする石黒世代に対して「老害」という言葉を使っています。
個人的には石黒世代の言うことも一理あるので、どちらが良いとか悪いとかはないのですが、ノイエ世代からすれば、少し気分は悪いでしょうね(笑)。
ここでは、それぞれの世代の主張を詳しく見ていきましょう。
ノイエ世代を否定する石黒世代の主張
ノイエ版の評判を少し調べてみたら分かるのですが、意外と否定的な意見が多いのです。
おおよそまとめてみると、3つに意見に集約できると思います。
- 声優(銀河”声優”伝説といわれるほどのキャストだった)
- キャラクター像の変化(ノイエ版は美形化がすすんでいる)
- ストーリーの短縮化
石黒世代はすでにイメージが出来上がっていますので、声優やキャラクター像の変化はなかなか受け入れがたいのだと思います。
ノイエ版は細かいストーリーが少し省かれているようでしたので、そのあたりも不評な原因だと思います。
この3つの意見は私も感じたことなので、あながち間違った意見ではないなと思います。
ノイエ世代の視点
ノイエ世代の視点も見てみましょう。
- 美形キャラがいい!
- 声優陣も豪華(ノイエ版の声優陣も今をときめく大物声優の方たちです)!
- 映像美がすごい!
映像美については、私もすごいなと思いました。
若い世代や女子はやはり現代版のキャラクター像や声優が良いみたいです。(まぁ、当たり前の話ですが。)
ノイエ世代は旧作を見ていないのか
ここで少し補足をしておくと、ノイエ版・旧作版ともに好きな人は数多くいます。
ちなみに私もその一人です。
また、ノイエ世代の中には初めて銀河英雄伝説を観てファンになり、旧作版を見た人も数多くいると思うんですよね。
「老害」と呼んだり、呼ばれたりする人は一部の人だと思います。
だからあまり偏った意見にとらわれないようにした方がいいですね。
銀河英雄伝説における新旧の評価
ひょっとしたら、まだ見ていない人もいるかもしれませんので、ここらで、ノイエ版・石黒版の作品の評価について少し触れておきます。
旧作の良い点
不朽の名作と呼ばれる「銀河英雄伝説」の石黒版ですが、まさに最高傑作と言っていい出来です。
このような「老害」論争やリメイク版の不評が出るのは、ひとえに石黒版の出来が良すぎたためです。
詳しい解説は『名作と言われる「銀河英雄伝説」の旧作・アニメ版の魅力を徹底解説!』の記事を見てもらうとして、ここではノイエ版との比較の中から特に良い点をお伝えします。
物語が既に完結
ノイエ版との比較の中での大きな違いは既に物語が完結していることと、外伝・劇場版含め豊富な物語があるという点でしょう。
BGMがクラシック
旧作の最大の魅力はBGMにクラシックが使われている点です。
このクラシックが使われているだけで、重厚感があり、銀河英雄伝説をスペースオペラへと昇華させています。
ノイエ版の良い点
ノイエ版にも良い点はたくさんありますが、ここでも旧作との比較の中から、特に良い点をお伝えします。
こちらも詳しい解説は『不朽の名作「銀河英雄伝説」リメイク版の魅力・旧作との違いを徹底解説!』をみてください。
映像美がとにかくすごい!
ノイエ版のいちばん良いのは、この映像美と迫力です。
旧作では味わえないこの迫力と臨場感は、旧作推しの私でも興奮しました。
銀英伝の魅力のひとつは、なんといっても宇宙艦隊戦ですからね。
次はどうリメイクするのかというワクワク感
まだアニメが途中ということもあって、これからどのようにキャラクターや艦隊戦を表現していくのかというドキドキ感があります。
銀河英雄伝説の作中での「老害」
ここで話は少しズレますが、せっかくなので、銀河英雄伝説の作中で「老害」となってしまった人物と「老害」にならなかった人物について、少し触れたいと思います。
銀河英雄伝説の老害論争のみならず、人生を生きる上でも大切なことが学べると思います。
「老害」と思われる2人の人物
リヒャルト・フォン・グリンメルスハウゼン
銀河英雄伝説外伝「千億の星、千億の光」に登場するラインハルトが准将時代の艦隊司令官です。
”軍事面においては”という前提がつきますが、完全に老害です(笑)。
ヨボヨボの爺さんで、会話もおぼつかない老人です。
ミュッケンベルガー元帥もその扱いに困り果てていた人物です。
ラザール・ロボス
同盟軍の宇宙艦隊司令長官です。
前線指揮官として優秀だったそうですが、元帥となってからは精彩を欠いていたようです。
「フォークを重く用いる」「アムリッツア星域会戦で昼寝をしている」「一矢報いるために撤退せずに被害を拡大させる」など、衰えが激しかったようです。
「老害」とはならなかった偉大な3人の提督
ビュコック提督
彼は「老害」とは真逆の位置にいる人物です。
ビュコック提督は「次の世代のものたちのために動く」ということが出来た人物だと思います。
ランテマリオ星域会戦で帝国軍に敗れた時に自殺しようとしましたが、チェン大将から止められ、戦犯として自分の命を差し出すことでヤンを助けようとしました。
また、マル・アデッタ星域会戦においては、死ぬと分かっていながら民主主義の意地で帝国軍に挑みます。
この戦いを「30歳以上の宴」と称して、若い世代は連れていきませんでした。
あろうことか、5,000隻もの艦艇をヤン提督のもとに送ったのです。
メルカッツ提督
アスターテ星域会戦の時に息子のような年齢のラインハルトの下で戦いますが、ラインハルトの作戦を聞くや、”老兵は去るのみか”と「世代交代の受け入れ」ができた人物だと思います。
ラインハルトの作戦が成功すると、素直にその力量を認めました。
リップシュタット戦役で敗れた後に同盟へ亡命しますが、亡命者である立場をわきまえ、ヤンやユリアンの邪魔にならないように立ち回り、信頼を勝ち取っています。
ミュッケンベルガー元帥
初めはラインハルトをひどく嫌っていたものの、最終的にはその力量を認め、ラインハルトにその地位を譲って引退しました。
この「引き際」が完璧な人物でした。
多くの貴族や軍首脳部は、この後のラインハルトとの内戦で大敗を喫して命を落としています。
「老害」と言われないためにできること
銀英伝に登場する人物たちから、「老害」にならないための3つのポイントを学ぶことができます。
- 次の世代のもののために動くことができること
- 世代交代の受け入れができること
- 引き際が適切であること
難しい部分もあると思いますが、この3つが大切ではないかなと思います。
新・旧それぞれの世代へのアドバイス
せっかく銀河英雄伝説という共通言語を持ちながら、お互いに批判しあったり、銀英伝の世界を隅々まで堪能しないのは、とてももったいないことであると私は思います。
石黒版もノイエ版も良い作品です。
偏りなく銀英伝の世界を堪能するためのコツを私から少し伝授しておきます。
石黒世代の大ファンへ
ノイエ版が受け入れられるようになる3つのコツを解説しておきます。
繰り返し見ること
ノイエ版を繰り返しみると受け入れられるようになります。
なぜなら、我々の持っている石黒版のイメージが薄れていき、ノイエ版の良い部分が見えてくるようになるからです。
現に私がそうでした(笑)。
シェーンコップの美形化も初めはどうかと思いましたが、確かに旧作ではプレイボーイと言えるほどの男前ではなかったので、ノイエ版の方がしっくりくるなと感じるようになりました。
また、ムライの風貌と声も違和感がありましたが、今では重厚感とや芯の太さを感じていいなと思えるようになっています。
違いを楽しむ
ノイエ版と旧作との違いを楽しんでください。
ノイエ版はあなたが持っているイメージである石黒版・銀河英雄伝説の補完ストーリーと思うのです。
- 石黒版では十分に表現できなかった艦隊戦の迫力
- 新しい設定や概念
これらを補完するためのものです。
ストーリーは頭の中にあると思うので、あなたの頭の中で完成版・銀河英雄伝説を作り上げてみてください。
世代を超えて楽しまれていることを意識
ここがいちばん大切な部分です。
ノイエ版の銀河英雄伝説は新しいファン層を獲得することを目的として作られています。
女性層を掴むために美形化し、今の世代の若者をターゲットにするためにアレンジされています。
これは今まで銀英伝を知らなかった人がどんどんファンになっているということなのです。
嬉しいことではありませんか!
そしてこれは「銀河英雄伝説」という共通言語で世代を超えて、コミュニケーションがとれるという素晴らしい価値を生み出します。
あなたの子供や孫と共通の趣味があるという素晴らしい状態が生まれる可能性を秘めています。
子供や孫にその良さを伝える手段として、ノイエ版を使えばよくないですか?
ノイエ世代の大ファンへ
旧作を面白く見れるポイントを教えておきますね。
外伝が豊富で面白い
ノイエ版は現在進行形ですが、石黒版は完結しています。
そして何より、同じくらいのボリュームで外伝があるのです。
ラインハルトやヤンが幼年学校を卒業して、本編が始まるまでに歩んだ軌跡がしっかりと語られています。
私の予想ですが、ノイエ版で外伝まで作るとは到底おもえないので、観れるのは旧作だけです。
名作と言われるアニメの原点を見ておく
名作と言われるアニメは数多くありますが、銀河英雄伝説(石黒版)ほどの不朽の名作はめったにありません。
一度は見ておくことをお勧めします。
特に私がノイエ版と比較しても良いと思う点は3つです。
- キャラクターが宝塚風でそれもそれでいい(実際に宝塚でやっている)
- ストーリーの深さがすごい
- 今見ても十分に面白い
まとめ
本記事では銀河英雄伝説の「老害」論争について解説するつもりが、少し話が大きくなってしまいました(笑)。
私が伝えたい事は、先入観を捨てて銀河英雄伝説を観て欲しいということです。
そして、銀河英雄伝説を共通言語として、多くの人たちが批判的にならずに、語り合って欲しいということです。
【最後に】石黒版もノイエ版も先入観を捨てて楽しもう!
最後になりますが、石黒世代の人もノイエ世代の人も銀英伝の世界を存分に堪能して欲しいと思います。
まだお互い見ていないという人がいるようでしたら、ぜひこの記事を読んで再び観てみて欲しいなと思います。
銀河英雄伝説が見られる動画配信サービスをまとめていますので、ぜひ見てみてくださいね。(無料で観る方法についても書いています。)
<以上>
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