こんにちは。
仕事(エンジニアとして工場勤務)のストレスによるメンタル不調を経験したことから、不動産投資をはじめたes-nakamuraです。
リスク管理の実践編をお伝えしています。
先にお伝えした各リスクに対し、それぞれのリスク項目について、評価・検討をしていきます。
以降は、先にお伝えしたリスク管理の一般的な手法を各リスク項目に対し、個別に順序だてて、お話ししています。
現在は、「収益性が悪化するリスク」について、順番に説明しています。
今回のテーマは「管理費・共益費上昇リスク」です。
「管理費・共益費上昇リスク」
- 不動産を運営するために月々支払っている「管理費」(不動産管理会社への委託管理費)及び「共益費」(マンションの共用部分の維持管理費)が上昇することにより、月々の経費が増加することで、収益が減少してしまうリスク
このリスクに関しては、滅多にないと思いますので、ほとんど気にする必要のないリスクです。
あえて取り上げた理由は、滅多にないことですが、経費を増加させる要因であることは間違いないことと私自身が消費増税のタイミングで1度だけ上昇したことからです。
「管理費・共益費上昇リスク」に関しては、あえて対策を講じる必要はないと思いますが、強いて言うなら、「収益性の高い物件の選択」及び「予備費の確保」となります。
1.リスクの評価
危険な状態の抽出と予測
これが、「管理費・共益費上昇リスク」の危険な状態の抽出と予測となります。
共益費が変更される際は、管理組合の総会で議決されますので、いきなり増加したりすることはありません。
また意見は出せますので、緊急的な事態に発展することはありませんが、採算性が悪化するリスクとなります。
また管理費の増加がある場合も、管理会社から事前の打診はあると思います。
私の場合は、消費増税(8%→10%)に合わせて、管理費が上昇しました。
しかしながら、微々たる増加です。
危険度
「管理費・共益費上昇リスク」に関する「危険度」の評価に対しては、「所有する物件の収益度」「あなたの経済的余裕」で評価することにします。
管理費や共益費がどの程度上昇するかについては、予測不能です。
基本的に増税etc.がない限り、上がることはないと思いますが、増加となった時に赤字になったり、自身の背負うお金がどの程度かを確認しておきましょう。
この収益度は、管理費や共益費が上昇しても収益が赤字にならないなら、許容できますし、なるようなら、少々危険度が上がると考えてもらえば良いと思います。
管理費や共益費の上昇に伴って損失が出た場合、あなた自身が許容できるかという指標です。
以下のように分けるとしたら、「危険度」の評価はとうなるでしょうか。
- 物件の月々の収益が黒字であり、管理費・共益費の上昇があっても、赤字とならない。
- 赤字となった場合でも損失を十分にカバーできる余裕がある。
- 物件の月々の収益がほとんどなく、管理費・共益費の上昇があれば赤字になる。
- 赤字となった場合でも損失を多少はカバーできる余裕がある。
- 物件の月々の収益が赤字である。
- 赤字となった場合の損失をカバーすることは生活を圧迫する。
私の場合の評価点数は、危険度「低」(1点)です。
6年の実績で1回、消費税増税のタイミングで管理費が上昇しました。
8%→10%の上昇ですので、微々たるものでした。
発生確率(可能性と頻度)
「発生確率」ですが、今回の場合は、数値的な評価はせずともとても低いと評価できると思いますので、危険度「低」(1点)としましょう。
経験的には、消費税が上がれば管理費は上がります。消費税の増税のニュースがあれば、上がると思っておきましょう。
あなたにとっての影響度
今回の評価において、私の場合は、「危険度」(1点)×「発生確率」(1点)=1点となり、問題ないレベルです。
あなたにとっての影響度を評価してみてください。
- 9点:超ハイリスク(超危険)
- 6点:ハイリスク(危険)
- 3点-4点 :ミドルリスク(注意)
- 1点-2点 :ローリスク(問題ない)
リスク低減対策の検討
リスク対策の検討①(危険度を下げる対策)
管理費及び共益費の上昇は、少し予測することが難しいため、それ以外であなたのできる対策を実施していきましょう。
「危険度を下げるための対策」はすなわち、「赤字にならない収益性の高い物件の選択」と「予備費の確保」になります。
この方法について、対策案を挙げてみます。
新築物件の場合は、なかなか難しいところではありますが、収益性の高い物件を購入して運用する対策です。
大きな利益を生み出す必要はありませんが、管理費や共益費の上昇がある程度カバーできるくらいの余裕は欲しいですね。
収益のある物件を運営しておけば、管理費や共益費が上昇しても赤字とならないようにできます。
少なくとも最初から赤字となっている物件の選択は極力避けましょう。
「ローン返済リスク」や「空室リスク」と同様の対策となりますが、このような事態に備えて予備費をプールしておくという対策は有効です。
「空室リスク」と同じ目的で予備費を蓄えるようにしておけば、このような事態になった時でも役に立ちます。
共益費が増加する際には、管理組合で話し合われ、総会での承認が必要と思いますので、定期的な報告を確認するようにしましょう。
リスク対策の検討②(「発生確率を下げる対策」)
次に、「発生確率を下げる対策」について検討していきます。
「管理費・共益費上昇リスク」における「発生確率を下げる対策」ですが、我々の方で打てる対策は特にないと思います。
共益費の増加に関しては、管理組合の総会で反対して増加を阻止することは可能ですが、必要な経費の場合は、支払わざるを得ないのですし、各オーナーの意見もありますので、基本的に無理だと思います。
また管理費の増加に関しても、不動産管理会社と話をすれば、増加を阻止することはできるかもしれませんが、基本的には無理でしょう。
従って、仮に増加しても採算を確保できるようにしておくことが唯一の対策となると思います。
リスク対策実施後の再評価
上記に示したリスク対策のうち、あなたに実施可能で有効な対策を打っていきましょう。
リスクを下げるためにできる対策は全て打つことが原則です。
また、あなたが他の方法でリスクを下げることができそうな対策があれば、それも実行してください。
それを踏まえ、リスク対策前に評価した点数を改めて見直していきます。
【 私の場合 】
少し収益に余裕がありますし、管理費や共益費が少しばかり上昇しても問題は発生しません。
過去に消費増税に伴って、管理費が増加しましたが、微々たるもので、収支に大きく影響を与えるものではありませんでした。
対策も特にしているわけではありませんが、対策前の評価も1点ですので、本リスクに関しては、問題ないと考えています。
あなたにとっての影響度の再評価
リスク対策を実施した後の対策後のリスク評価を実施します。
上記に書いた通り、評価結果は対策前と同様となります。
管理費・共益費の上昇は1回経験していますが、そこまで大きな採算性の悪化はなかったため、今のところは問題ないと思っています。
残留リスクと継続的なリスク低減対策
さて、「管理費・共益費上昇リスク」に関しては、特に問題ないと考えています。
それでは、「残留リスク」に関して、考えていきましょう。
考えられるリスクとしては、以下の項目があります。
- 消費税の増税や共用設備の拡充により、管理費・共益費が増加する。
これらのリスクにどう対応していくかを考えていきます。
今回のリスクは、発生を抑える対策はありませんので、継続的な対策として、状況の監視(定期総会の議案の確認)と予備費の確保となります。
残留リスクに対する継続的な対策としては、以下が挙げられます。
- 定期総会の議案の確認
- 予備費の継続的な確保
継続的に予備費を確保することで管理費・共益費増加の際の余力を確保していきましょう。
また、送付されてくる総会の議事録を確認し、動向を把握するようにしておきましょう。
あなたにとっての危険度の判定
さて、いかがだったでしょうか?
「管理費・共益費上昇リスク」に関して、「怖いと感じること」を明確して、それを点数付けし、対策を考えることで、何が危険なのかが分かりやすくなりましたか?
「管理費・共益費上昇リスク」を評価し、打てる対策は考えたが、やはり自分には怖くて手が出せないと思うのであるならば、現段階での不動産投資はやめておきましょう。
人によって状況は様々です。
その判断をするための材料でもあります。
自分にとって危険だと感じることはする必要はありません。
今回のリスクは、他のリスクと比較すれば、無視しても良いレベルの内容ですので、過敏に警戒する必要はないと思います。
まとめ
- 管理費や共益費の増加リスクは、他のリスクと比較して、無視できるレベルのリスクです。
- 管理費・共益費上昇リスクに関して、対策を持つとするならば、物件の収益性の確保と予備費の確保です。
< 以上 >
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