今回からは、売却益に関わるリスクに関して、説明する。
今回のテーマは「資産価値下落リスク」。
「資産価値下落リスク」
- 物件の老朽化やニーズに低下により、資産価値が購入した時よりも大幅に下がってしまい、売却する時に損をしてしまうリスク。
今回君たちに教えている不動産投資方法は、運用益(家賃収入を安定的に得る利益)を主とした不動産投資だ。
長期間運用することを目的にしていることから、今回の「売却益」に関するリスクは、重要なリスクとはならない。
しかしながら、必ず購入・売却のプロセスの中では、経験することなので、覚えておいて損はない。
将来、売却益を目的とする不動産投資をする場合は、重要なリスクとなってくる。
「資産価値下落リスク」に関しては、「長期間ニーズがのある物件の選択」と「物件の維持管理」がポイントとなる。
基本的に物件の資産価値は築年数とともに下がるので、資産価値の維持・増加は、なかなか難しい話である。

危険な状態の抽出と予測
基本的に不動産の価値は築年数とともに下がる。
自動車を購入しても売る時にはとても安くなっているのと同じことだ。
物件の価値が上昇する可能性としては、物件の老朽化による資産価値の下落よりも、物件のニーズが上回った場合だ。
資産価値を決定する要因
感覚的に分かると思うが、新築の時が一番高く、時と共に価値は低下する。
少しでも人が住めば、それは中古物件となる。
築年数が長ければ、長いほどに老朽化するので、物件の資産価値が下がるのは当たり前だ。
資産価値の評価には2種類ある。
「税制上の資産評価額」と「市場での売買価格」。
「税制上の資産評価額」とは、固定資産税や都市計画税を支払う時に使用される評価額となる。
法律で定められた耐用年数に従い、毎年計算され、税金を徴収される。
一定割合で毎年資産価値が下がっていく。(減価償却)
この資産額がそのまま売却の値段というわけではないので、勘違いしないように。
「市場での売買価格」とは、実際に不動産を売却する時の値段となる。
これは、市場の需要と供給の関係で決定するので、「時価」となる。
当然、税制上の評価額も参考にされるが、最終的には売却先といくらで取引が成立したかで決定されることになる。
君たちが気にするのは、「いくらで売れるか」だと思うので、この市場での売買価格が重要となる。
この売買価格を決定する因子は様々だ。
物件のニーズ・立地・築年数に対して綺麗な状態であるかetc.が参考とされ、売買価格が決定していく。
加えて、君たちが所有しているのは、投資物件ですので、収益性が加味される。
今後、君たちの所有する物件がどれだけ収益を出すかも資産評価に考慮されるため、一般的な不動産よりも資産価値は高くなる。
以上を踏まえると、「老朽度」「ニーズ」「収益性」が資産価値を高く維持する上で重要であることが分かると思う。

資産価値を下げないための対策
前節で説明した内容を基に資産価値を極力下げない、又は増加させるためにできる対策を考えていこう。
復習になるが、どんなに頑張っても時が経つにつれ、物件そのものは古くなるので価値は下がる。
資産価値を維持することや増加させるには、この老朽化して下がる資産以上の価値を物件に持たせることがポイントとなる。
- 長期的にニーズのある物件の選択
- きれいな状態を維持するための物件の管理(修繕)
- 空室とならないようにすること
上記の対策は、今まで話してきたリスク管理の内容と全く同じだ。
適切な管理と運営をすることで、物件の価値を維持したり、増加させることは可能であるということだ。
注意しておきくが、物件の資産価値の増加を予測することは非常に難しい。
将来この地域や物件のニーズが高まることを予測して、物件を購入する必要があり、それを見抜く力は容易なことではない。
もし君たちにこの能力があれば、すぐに金持ちになれると思うぞ(笑)。
バブル期etc.の好景気の時は、可能だったのかもしれないが、今の時代では非常に難しい思う。
我々のような素人が売却益を目的に不動産取引を実施するのは、ハードルが高い。
繰り返しになるが、今回教えている不動産投資は、「死亡時の保証」及び「私的年金の確保」を主として、長期的に運用することを目的としている。
適切な管理により、資産価値が上昇した場合は、ラッキーぐらいに構えていた方が良い。
まとめ
- 物件の資産価値は築年数とともに下がる。
- 物件のニーズが高かった場合に限り、資産価値の維持・増加が見込める。
- 物件の適切な管理を行うことで、必要以上の価値の下落を防ごう。
< 以上 >
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