バーミリオン星域会戦でラインハルトをあと一歩のところまで追い詰めながら、同盟政府の降伏勧告に従い停戦したヤン・ウェンリー。
帝国に降伏したことで軍を退役し、念願であった年金生活とフレデリカとの幸せな新婚生活を満喫していた。
しかしながら、旧同盟領の支配を任された高等弁務官であるレンネンカンプからの執拗な監視を受ける。
最終的には反逆未遂の罪をレンネンカンプと同盟政府から着せられ、逮捕される。
そして再び宇宙へと旅立っていくのであった。
今回はそんな幸せな新婚生活を邪魔されてしまったヤン夫妻とヤンを救出にきた仲間たちのおりなす大脱出劇について詳しくみていきます。
【筆者の情報】
私は小学生の時に銀河英雄伝説(石黒版)のアニメをみて以来、大ファンになった41歳(2023年現在)のサラリーマンです。
結婚して子供ができ妻が持っていた「Amazon Prime Video」のアカウントを観ている時に「あれ?銀英伝が見放題やん!?」となり、再び見返し始めました。
同時に「銀河英雄伝説 die neue these」の劇場公開もはじまり、銀英伝の世界にまたどっぷりはまった人間です。
銀河英雄伝説はアニメとしての楽しさに加え、キャラクターの名言や生き方、考え方など私の人生の指針となっているアニメのひとつです。
銀河英雄伝説がはじまって40年。
あなたも若い時に銀英伝の世界にはまったひとりではないでしょうか?
また一緒に銀英伝の世界を旅しましょう!
「銀河の歴史がまた1ページ。。。」
ヤンのハイネセン脱出作戦とは?
ヤンのハイネセン脱出作戦の概要
帝国に降伏したことで軍を退役し、念願であった年金生活とフレデリカとの幸せな新婚生活を満喫していたヤンに対して謀反の企てがあるとして、高等弁務官であるレンネンカンプと同盟政府が逮捕・暗殺未遂をくわだてた事件です。
ヤンの仲間たちは、ヤンを救出してハイネセンを脱出しました。
ヤンのハイネセン脱出に関わった人たち
ヤンのハイネセン脱出作戦に関わった人たちをざっとまとめておきます。
人物 | 職務 | |
帝国軍 | ヘルムート・レンネンカンプ上級大将 | 旧同盟領高等弁務官 |
パウル・フォン・オーベルシュタイン元帥 | 軍務尚書 | |
同盟政府 | ジョアン・レベロ | 最高評議会議長 |
ホワン・ルイ | 最高評議会委員 | |
オリベイラ学長 | 最高評議会顧問 | |
ロックウェル大将 | 統合作戦本部長 | |
ヤン一党 | ヤン・ウェンリー | 退役軍人 |
フレデリカ・ウェンリー(グリーンヒル) | ヤン夫人 | |
ワルター・フォン・シェーンコップ | 退役軍人 | |
ダスティー・アッテンボロー | 退役軍人 | |
ライナー・ブルームハルト | ローゼンリッター連隊隊長代理 | |
アレックス・キャゼルヌ | 後方勤務本部長代理 | |
バグダッシュ | 退役軍人 | |
ローゼンリッター連隊 | 陸戦部隊 |
ヤンのハイネセン脱出作戦のみどころは?
ヤンがかなりピンチな状態に陥る
ヤンがあと一歩で暗殺されるというところまで追い詰められます。
フレデリカとシェーンコップ率いるローゼンリッター連隊にぎりぎりのところで助けられます。
ヤンらしい時間の稼ぎ方が面白かったですね(笑)。
シェーンコップ率いるローゼンリッターとアッテンボローが大暴れ
地上戦ですので、ローゼンリッター連隊が大暴れです。
ヤン逮捕と同時にシェーンコップとアッテンボローも拘禁されそうになるものの逃げ回り、待機していたローゼンリッター連隊が撃退します。
仮設基地を拠点にすぐさまジョアン・レベロ議長を人質にしてヤンとの人質交換交渉、レンネンカンプの拉致、ハイネセン脱出を実行しました。
退役して退屈していたのか、水を得た魚のように大暴れでした!
オルタンス・キャゼルヌの肝の据わり方
もうひとつ見逃せないのが、キャゼルヌ夫人であるオルタンスの対応の良さです。
ヤンがハイネセンを脱出するのに合わせて、キャゼルヌもついていくという事態になったのですが、既に荷造りを終わらせて出発準備万端だったのです。
「亭主が仲間を見捨てるような薄情な男と言われるなんて恥ずかしくていけない」と。
すごい嫁だ!
ヤンのハイネセン脱出作戦の経緯
ヤンのハイネセン脱出劇を時系列順に整理していきましょう。
ヤン夫妻の幸せな日常は執拗な監視
軍を退役して念願の年金生活を新婚生活を手に入れたヤン夫妻は、ひとときの優しい時間を満喫していました。
しかしながら、高等弁務官であるレンネンカンプの指示により必要な監視を受け、窮屈さも感じていました。
同盟軍廃棄予定戦艦強奪事件
同盟軍が降伏したことで締結されたバーラトの和約により、戦艦の廃棄が実施されようとしていました。
そこへ「動くシャーウッドの森」を率いるメルカッツ部隊が現れ、廃棄予定戦艦と希望する軍人の勧誘が行われ、奪われてしまう事件が発生しました。
事前にヤンからユリアンを通じて、戦艦廃棄の情報はメルカッツに伝えられ、強奪するよう指示を受けていました。
レンネンカンプと同盟政府の謀略(ヤン逮捕)
戦艦強奪事件をきっかけにメルカッツが生きていて反乱分子を糾合しているという噂がながれ、その黒幕がヤンであるという密告を受けたレンネンカンプは同盟政府にヤンを逮捕するよう指示をだす。
悩みつつも同盟存続のため、火種はなくしたいレベロはホアン・ルイの忠告も無視して帝国の指示に従ってしまう。
レンネンカンプと同盟政府の謀略により、ヤンは明確な証拠もなく暗殺される運命となる。
ジョアン・レベロ拉致とヤンの救出
夫の生命の危機を感じたフレデリカは、シェーンコップとアッテンボローに連絡。ヤンの救出作戦を実行する。
ローゼンリッター連隊・バグダッシュも加わり、ジョアン・レベロを拉致し、同盟政府にヤンとの人質交渉を打診する。
保身に走ったロックウェルがレベロを切り捨ててヤンの暗殺を実行しようとするも、ギリギリのところで救出に成功する。
レンネンカンプの拉致と自殺
ヤンの救出に成功したヤンは反対にレンネンカンプを拉致し、人質としてハイネセンの脱出を企てる。
レンネンカンプの拉致には成功するが、謀略が失敗に終わり後がなくなったレンネンカンプは隙をみて自殺してしまう。
ヤン一行のハイネセン脱出
レンネンカンプの自殺という不測の事態をむかえたヤン一行であったが、フレデリカのアイデアで化粧をすることで生きていると思わせる作戦にでる。
レベロとも話を合わせ、今回の一件はヤン一党が企てたもので同盟政府は関係なく、レンネンカンプを人質にとられ手が出せなかったということにして、ハイネセンを脱出する。
【考察】ヤンのハイネセン脱出にまるわる疑問
ヤンのハイネセン脱出劇は多くの人の思惑が錯綜しており、複雑な様相を呈している。
そこで、いくつかの疑問を解消していきたいと思います。
ヤンの逮捕・暗殺未遂はなぜ起こったのか?
まずはここ。
つつがなく新婚生活を満喫していたヤンがなぜ逮捕・暗殺未遂に巻き込まれてたのかという点です。
これはヤンがもともと同盟(民主共和制)の騎士として市民からも人気があり、反乱分子を糾合する求心力があったからでしょう。そこにヤンに2度敗北を喫したレンネンカンプの私怨とローエングラム王朝安定化のために反乱分子を早く片付けておきたいオーベルシュタインの思惑があったからだと考えられます。
動くシャーウッドの森を動かしていたのはヤンであったため、帝国側の狙いはあながち間違ってなかったと思います。
レンネンカンプはなぜ必要以上にヤンを警戒をしていたのか?
先にも述べたようにレンネンカンプは2度ヤンに敗北を喫しており、その屈辱の思いがヤンに対する見方を曇らせたのだと思います。
そこに皇帝であるラインハルトへの忠義もあいまって、ローエングラム王朝に害をなす可能性があるものは排除すべきという短絡的な考えになってしまったのでしょう。
ラインハルトの上官であった頃のレンネンカンプはラインハルトに対し、公平な態度で接し、宮廷の抗争に対しても屈しなかった人物だっただけに残念です。
暗躍するオーベルシュタインの狙いは?
「ローエングラム王朝安定化のために反乱分子をはやく片付けておきたい。」
これがオーベルシュタインの狙いであり、物語を通して一貫しています。
口実があれば利用する。分かりやすいですね。
同盟政府は恩人であるヤンをなぜ逮捕したのか?
仕方なかったというのがレベロの言い分でしょう。
ヤンの逮捕を拒否すれば、それを口実に帝国に併合される。その懸念がぬぐい切れなかったのでしょう。
難しいかじ取りです。
結果としてはラインハルトによる同盟併合のきっかけになってしまったため、拒否してヤンと共に戦っても良かったかもしれません。
あとの祭りですが。。。
レンネンカンプを高等弁務官にしたラインハルトの人事は失敗したのか?
大枠でみれば失敗ではありません。
レンネンカンプの失敗により、同盟の完全併合が実現したからです。
レンネンカンプを同盟の高等弁務官につける際に、オーベルシュタインが「ヤンに2度負けていることから、軍の外においての視野が狭くなるおそれがある」と指摘されていましたが、ラインハルトは「レンネンカンプが失敗すれば、それを口実に同盟を攻める」と言っており、予定通りというわけです。
ヤンがハイネセンを脱出したその後
ハイネセンを脱出したヤン一行は、動くシャーウッドの森と合流。
同盟政府の動きを見ながら、最終的には独立宣言したエル・ファシルに向かうことになる。
民主共和制の生き残りをかけた新たな戦いの始まりである。
まとめ
本記事では、ヤンのハイネセン脱出劇について詳しく解説してみました。
- レンネンカンプ(オーベルシュタイン)と同盟政府の謀略
- 仲間たちの活躍
- フレデリカの決意と献身
- ヤン夫妻の少しの幸せな時間
今までの戦闘シーンでは描かれていない特別なシーンが数多くある戦いでした。
結局は小市民でいられない数奇な運命のヤン・ウェンリー
束の間の新婚生活を味わったヤン夫妻ですが、結局は宇宙に飛び出して帝国軍と民主共和制の存続をかけて戦うことになりました。
そもそも小市民的な生活は無理だったのかもしれません。
キャゼルヌ夫人が予言したとおり「本来いるべき場所に帰った」のでしょう。
少しだけでも新婚生活ができただけでも良いとしますかね。
ぜひ、また見てみてくださいね。
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